2011年9月27日火曜日

本日第1回口頭弁論が実施された銀行口座開設を巡る裁判の控訴審第2準備書面


                  平成23年(ネ)第2365号損害賠償請求控訴事件
控訴人  梁  視 訓
被控訴人 ******銀行株式会社 外1名
         第 2 準 備 書 面
                      平成23年 9月27日
大阪高等裁判所第*民事部*係 御中
                 控訴人   梁  視 訓   印
 控訴人は以下の通り、控訴の理由をさらに補充する。
1 原審において、被控訴人(被告)側の主張は口座開設拒否の主要な理由は被控訴人Kの「まず、口座開設の目的、これにまずは尽きる部分があるんですが、はっきりとおっしゃっていただけなかったということ・・・」(被控訴人K尋問調書12ページ目)という供述にあるとおり、控訴人が口座開設目的を述べなかったという点にあった。「仮にそのような海外旅行で利用するという目的を伝えていた場合には、口座開設目的は満たされていたんでしょうか、」との被控訴人ら代理人の問いに、「いわゆる海外旅行であるならば、口座開設の目的、すなわちプライベートで使われるということですので目的は果たされていると思います。」(同尋問調書7ページ目)と被控訴人Kが答えていることからも口座の開設目的を述べなかったから開設を拒否したと言う被控訴人らの主張の力点が鮮明に読み取れる。
 原審被告(被控訴人)準備書面⑷(平成22年11月11日付け)の第2「口座開設拒否をした理由」1においても、口座開設目的を確認することが重要であり、控訴人が被控訴人銀行を訪れた平成21年7月9日には「口座開設目的を尋ねたが、原告は単に口座を開設したいと述べただけであった。」とし、2度目に訪れた平成21年9月17日も「再三にわたり、口座開設目的を尋ねたにもかかわらず、原告から明確な回答を得られなかったのである。」と述べ、いずれの日においても口座開設の目的について明確に確認することができなかったとしている。
2 しかし、控訴人が実際に話した内容は訴状にも明確に記載されているとおりであり、平成21年7月に被控訴人銀行を訪れた時、被控訴人銀行従業員Tの「今回どういう目的で口座を開設するのでしょうか。」との問いに、控訴人は「国際化時代ですから海外で銀行を利用する場合などのためにです。」と答えているし、同年9月に訪れた際にも被控訴人銀行従業員Sに対し、国際化時代であり、海外旅行の折などに利用することなどを伝えている。その次に応対した被控訴人Kにも直接海外旅行の際などに利用する利便性や国内の他の被告銀行の支店も買い物などの機会に利用することを説明している。
 この事実は最初に訪れた際に口座開設目的についての控訴人とのやりとりの後に次の手続きにすんなり進んでいる従業員Tの対応を見ても疑いの余地はないし、2回目に訪れた際、海外旅行の折や被控訴人銀行の他の支店(神戸三宮に所在する被控訴人銀行の支店のことにも話が及んだ。)でも買い物などの折に利用することを述べたことなど、今でも控訴人は被控訴人Kに話した内容を極めて具体的に記憶している。
3 原判決もこの重要な事実を認定し、「応対に出た本件支店の従業員であるSから、口座開設の目的を尋ねられたので、国際化時代だから海外旅行のときなどに利用するなどと回答した・・・」(原判決第3、1、⑶ア)とし、さらに、「・・・、原告は、海外旅行の折に使うためとか、国内のほかの支店でも使うなどと言うのみで、・・・」(原判決第3、1、⑶イ)と海外旅行目的等で使用する旨を繰り返し述べた事実を認めている。
 当然のこととして、控訴人が口座開設目的を述べなかったとする証人当事者尋問における証人T、被控訴人Kの陳述(T証人調書6ページ目、被控訴人K尋問調書7ページ目、10ページ目)は全く事実に反したものであり、最初に訪れた際に控訴人が通称名を使用したなどという事実関係の誤った主張に続いて、両名の供述の偽りが明らかにされることになる。
4 そうであるのに、判決の結論部分においては、「・・・原告が、S・Nや被告K自身から口座開設目的を尋ねられても、必ずしも明確な返答をしない上、・・・」(原判決第3、3「口座開設の拒絶について」⑶)と前記の事実認定とは正反対の事実を述べた上で、口座開設拒絶が不当なものではないとしてしまっている。判決の前と後の部分における齟齬(食い違い)があまりにも明白であり理解に苦しむところである。
 以上、原審における被控訴人らの主張の要であった口座開設目的に関する控訴人と被控訴人銀行従業員らとのやりとりについて、原判決の矛盾はことに際立っているので整理して指摘しておきたい。